カーディフよ! ウェールズよ!
またもや大学時代の話。
日曜に本屋をくるっと回りました。本屋に行くとときどき、ガイドブックの「イギリス」を手に取ります。
大学1年と2年との間の春休みのこと。私の親がこう言いました。
「去年はバタバタッと入学が決まったで、お祝いも何もしてやれなんだ。○○円相当くらいのお祝いをしてやりたいで、有効に使いーよ。」
親は使い道の提案として車の購入も挙げましたが、私は前の年から募集していた、某外国人教師が募集していたイギリス・カーディフでの1ヶ月程の語学研修に使おうと思いました。車は確かに鳥取県ではかなり便利ですが、維持費もかかりますし、自転車で走り回っていた私にはそれで充分。それに、モノより思い出ですもんね(←そのCMは最近だろ)。第一、社会人になったらそんな長期に外国に行けないはずです。
というわけで、2年の夏にイギリス・カーディフへ行きました。日本を経つ前の日にはテレビでフランス革命200周年の番組が流れてましたっけ。でもそのときはまだ鳥取にいました。夜行バスで大阪へ、伊丹空港に朝集合してロンドンへ。参加者は中四国じゅうから集まっていました。
皆さんはカーディフをご存知でしょうか。学校で扱うかどうか微妙ですが、イギリスには4つの国があります。サッカーやラグビーの好きな人にはおなじみでしょう。その一つがウェールズで、たぶんイギリスの4つの国の中ではいちばんマイナーでしょう。イングランドはイコールイギリスみたいな扱いを受けてますし、スコットランドは観光地、北アイルランドはアイルランドと地続きで時々テロが起こるのでニュースに載ります。でもウェールズは地味ですし、イギリスの国旗ユニオンジャックにも唯一反映されてない国です(それはイングランドとの歴史を考えればむしろ誇りかも)。
しかし、ウェールズは独自文化に誇りを持っていることは間違いありません。ウェールズ語は完全に息を吹き返した感がありますし、1997年にウェールズ独自の国会が作られてからはその度合いも増したと聞いています。また個人的には、ウェールズのシンボル・一角獣(ユニコーン)はちょっと親しみがありました。高校の英語の教科書はユニコーンでユニコーンの由来まで出てきましたし、ユニコーンというシンガーもいましたので。
考えてみるとウェールズ語のある意味本拠地である首都カーディフで英語を学ぶというのも妙な話ですが、他ヨーロッパや中近東からも学びに来てました。会場のウェールズ大学カーディフ校では夏休みじゅう講座を開いてたようです。期間中、様々なExcursionにも参加しましたし(一度は集合場所を間違えて往路だけ自分で行ったことも)、それ以外にも徒歩や鉄道であちこち回ってみました。自分の足で英語だけであちこち行けるというのはいいですね。
ホストファミリーは他の留学生とは違い、おばあさん一人でした。アグネス・ジェンキンズさんといいます。姓も名も聞いたことありそうですね。でもジェンキンズはやはり、例の拉致事件で有名になった姓でしょう。ちなみに彼女は、天安門事件の映像を見てterrible!を繰り返していました。彼女の好意でBBCのクロージングまで見られました。食事がオートミールばかりというのは閉口しましたが・・・。滞在半ばには、彼女の知り合いの真っ黒いプードルも預かってたので一緒だったんですよ。帰国後に残念なことに住所録を紛失してしまい連絡がとれないのですが、お元気でしょうか・・・。
滞在中、やけに東欧の炭鉱でのストのニュースが流れるのです。イギリスだからかなーと思ったのですが、日本に戻ってからも続きました。それから間もなくベルリンの壁が崩れました。そうです、あれは東欧の社会主義国どうしのつながりの崩壊の序曲だったのです。資金に余裕がなかった私には無理でしたが、帰りに、フランス革命200年に湧くフランスや、「最後」だった西ドイツも回ってみたかったなーと思います(現に鳥取大学の学生で回った人もいました)。翌年にドイツからやってきた当時の仲間には「Congratulation for your country!」と言ってあげました。こちらの滞在中には、当時日本では全く話題になってなかったサッカーワールドカップの決勝を、彼が見たがったものの、放送したNHKの映りがあまりに悪く、「もういいよ」と英語で言われてしまいました。
あまり大きな声で言えませんが、カーディフ滞在中に初めて彼女が出来たんです。岡山県総社出身で広島の短大生の日本人でした。この短大は数年前閉鎖してしまいました。
この滞在以来、カーディフとウェールズのファンになってしまいました。ウェールズファンというのは、例によってイングランドよりウェールズという判官びいきにもピッタリという事情もあるのですが、実際に私が滞在してしまったのですから。なおカーディフは10年前から、ウォーターフロントの整備がされ、産業と観光に役立っているそうです。カーディフも変わったんですね。
いやー、語学留学先まで判官びいきの変わり者にピッタリだったとは。


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